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2011年 02月 28日
「環境教育」出前授業の3回目。今年度最後の授業となる。講師は山口正士先生。元琉球大学理学部教授で、現在は宮崎県日向市に居を移されて、「ルミナス・ヒムカ水生生物研究所」主宰し、ハマグリ類の研究を続けられている。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 2011 大谷ハチドリ計画 ハマグリと「海のゆりかご」砂浜 山口正士先生の出前授業 ■開催日時 2011年3月4日(金) 1時35分~3時15分 ■会場 気仙沼市立大谷中学校・多目的ホール 気仙沼市本吉町三島60-4(0226-44-2004) 「海のゆりかご」とハマグリ この「海のゆりかご」が大谷には二つもあります。大谷海岸と長須賀です。そして、この二つの砂浜には、絶滅が危惧されるほど希少なハマグリが今もなお生息しているのです。 大谷のハマグリはチョウセンハマグリ 日本のハマグリには、内湾や河口の干潟に生息するハマグリと、外洋に面した砂浜に棲むハマグリの二種類があります。ややこしいことに、内湾性のハマグリにはそのまま「ハマグリ」の名が与えられており、外洋性のハマグリは「チョウセンハマグリ」と呼ばれています。そして大谷にいるハマグリは外洋性のチョウセンハマグリです。 さらにややこしいことに、チョウセンハマグリも日本在来のハマグリなのですが、「チョウセン」という名がつけられています。なぜこの名がつけられたのかというと、チョウセンハマグリは、「ハマグリ」に比べると殻が平べったく、身がいくぶん固いこともあって、「ハマグリ」の偽物あるいは二級品扱いをされてしまったからといわれています。でも、そんなことはまったくないのですが…。 ハマグリからの警告 日本人とハマグリの付き合いは古く、つねに身近な存在として、日本人の文化や暮らしに深く溶け込んできました。しかし今、ハマグリの棲む干潟や砂浜は、人間が垂れ流してきた排水やゴミで汚され、護岸や開発の名のもとにコンクリートで埋めつくされてしまっています。その結果、かつて日本中の津々浦々に生息し、縄文の時代から日本人が慣れ親しんできたハマグリは、いまや絶滅が危惧されるほど深刻な状況に陥っているのです。 ハマグリがこれほど減少しているにもかかわらず、不思議なことに、スーパーでは大量のハマグリが売られています。実は、そのほとんどが中国や北朝鮮、韓国から輸入されたシナハマグリで、いまや日本のハマグリの90%以上はシナハマグリという状況になっているのです。 縄文の時代から日本人が味わってきたハマグリとはまったく別物なのですが、私たちはこのことに気づいていません。これは、私たちの命を支える大切な食べ物が、それを生み出す自然から大きく断絶していることを物語っています。 食の生産の場である自然が破壊され、自然の恵みとして与えられてきた生き物たちの多くが消え去ろうとしています。そして日本人の食そのものが荒廃しつつある。このことを深刻に受け止めるようにと、ハマグリは私たちに強く訴えかけているのかもしれません。このハマグリの声に私たちはどう応えるべきなのか、この機会にぜひ考えてみてください。 ■講師紹介 山口 正士(やまぐち まさし)先生 1942年生まれ。元琉球大学理学部教授、海の無脊椎動物(貝、ヒトデ、サンゴ、クラゲなど)が専門。1970年3月東京大学大学院農学系研究科水産学専攻、修了、農学博士。1971年から1973年、グアム大学臨海研究所客員研究員。1973年から1975年 同大学助教授。1976年から1977年 オーストラリア政府、特別研究員(ジェイムス・クック大学)。1977年10月から琉球大学理学部海洋学科、助教授。1983年4月から教授、1998年改組で理学部海洋自然科学科教授。2006年3月に退職。 現在は宮崎県日向市で「ルミナス・ヒムカ水生生物研究所」主宰し、ハマグリ類の研究を続ける。琉球大学での研究室紹介で「どんな学生に来てほしいか」を問われ、「逆に言って、来てほしくないのは「指示待ち人間」、「モラトリアン」、そして生物・自然について好奇心と感受性の乏しい者は歓迎されない。目の前に存在している事象の深い意味を見逃さないで、生物が生きていることそれ自体の不思議を感じとるような感性が欲しい。」と答えている。自らの性格は、せっかちな慎重派(ゆっくり見極めて急いで集中的にお仕事します)とのこと。
by sophia_forest
| 2011-02-28 21:26
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