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2015年 11月 23日
いのちを彩るエコトーン (3)
~海・山・田んぼのいのちをつなぐ~ 歴史を刻む地層 津波によって表土が深く削られたことから、かつての沼地だけではなく、津波の歴史を刻む貴重な地層も現れました。 この地層を北海道大学の平川一臣特任教授(自然地理学)が調査に訪れ、この地層は「縄文時代にさかのぼる過去六千年間の巨大津波の歴史が一度に分かる地層」であることを明らかにしたのです。 平川教授によると、津波で運ばれて堆積した砂や石の層が六層あり、層の間隔や堆積物に含まれる土器片の様式などから、上から順に慶長三陸地震(一六一一年)、貞観地震(八六九年)、約二〇〇〇年前、約三〇〇〇年前、約四〇〇〇年前、五〇〇〇~六〇〇〇年前の津波の可能性が高いというのです。 崖は高さ約三メートルで、明治三陸津波や昭和三陸津波のような中小規模の津波では、これを乗り越えて遡上し、堆積物を残すことがなかったことから、巨大津波の痕跡と考えるのが妥当と平川教授は解釈しています。 貴重な歴史遺産 上の写真(平川教授提供)と図表には写っていませんが、最下層の直上には約五四〇〇年前の十和田噴火とみられる火山灰があります。右の写真の白い層がその火山灰とみられており、灰の熱で焼けこげた植物の痕跡もあります。 また、上から三番目の層で見つかった土器片には縄文模様があることから、この層が弥生後期から紀元前後(約二〇〇〇年前)であるとわかったのです。 平川教授が発見した地層は波に浸食されてしまいましたが、ここにはなお後世に残すべき貴重な歴史遺産があるのです。 (『三陸新報』 2014.05.29)
by sophia_forest
| 2015-11-23 12:09
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