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2015年 11月 23日
いきものたんぼプロジェクト (2)
~海・山・田んぼのいのちをつなぐ~ コナギを食べる会 昨年に続き、今年も「コナギを食べる会」を開催した。 大谷の子供たちが取り組んでいる田んぼには、ミズアオイとコナギという二種類の植物が生える。似てはいるが、大きさと花の位置で区別できる。ミズアオイは古くは「ナギ(菜葱)」と呼ばれており、それより小さいのがコナギ(小菜葱)というわけだ。 ちなみに、大谷ではこれらを「オドゲナス」と呼んでいたという。「オドゲ」は「おとがい=あご」のことで「あごのない草」という意味らしいのだが、なぜそう呼んでいたのかはわからない。ご存知の方はご教示いただきたい。 コナギやミズアオイは繁殖力が強く、かつては田んぼの厄介者の代表格だったのだが、除草剤を使い始めてからまったく姿を現わさなくなった。米を作っていても見たことがないという人は多いだろう。 逆に言えば、コナギは無農薬の証しでもあるが、放っておくと稲の生育に影響がでてしまうために駆除しなければならず、この作業がたいへん。 そこで、これを野菜として収穫すると思えば作業も楽しくなるし、手伝う人も増えるだろうと企画したのが「コナギを食べる会」という次第である。 雑草の価値 コナギは万葉集にも詠まれ,古くは食材とされており、東南アジアでは現在も食べられている。コナギの栄養成分を調べたところ、一般的な野菜に比べて栄養価が高く、ビタミンやミネラルも豊富であることがわかった。 コナギだけではない。田んぼには私たちが知らないだけで、栄養や効能のある植物が他にもあるはずだ。それらを掘り起こすことができれば、田んぼはご飯だけでなく、おかずも採れる多様な食材の生産の場になる。 「雑草とは、その価値がまだ発見されていない植物のことである」 これはアメリカの思想家ラルフ・ウォルドー・エマソン(1803-82) の言葉だ。 これまでに知られている植物種は約三十五万種といわれているが、その中で人間が栽培して食べている「野菜」は約三千種に過ぎない。 野菜の百倍以上もある植物が「雑草」に追いやられている。この中に「その価値がまだ発見されていない植物}はどれだけあることだろう。 それを放っておくなんて、もったいないと思いませんか。 (『三陸新報』 2015.10)
by sophia_forest
| 2015-11-23 14:03
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