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2016年 05月 28日
15年ほど前、『obra オブラ』(スペイン語で「成果、作品」の意)という雑誌があった。その表紙に「食という字は人を良くすると書く」という見出しが使われていたことがある。今でもまだ使われているみたいだけどね。
![]() (『obra オブラ』 No.2 2001年6月号) 『オブラ』が創刊された当時、食育の普及活動をしていたこともあって、この言葉は食育には打ってつけの文句としても使えるなァ、と思ったものの、でも、なんかこじつけっぽいなァ、と気になって手元の漢和大辞典(藤堂明保・学研)で調べてみた。すると意外なことがわかった。 「食」という字の成り立ちをみると、上の「人」の部分は「集めてふたをすること」を表し、下の「良」の部分は「穀物を盛ったさま」を表している。「食」はこの二つの意味を合わせた会意文字で、容器に入れて手を加え、柔らかくして食べることを意味するのだそうだ。 ![]() 食- 汉字如画(图) 「人を良くする」という『オブラ』の見出しはやはりこじつけで、食育で使うには「教育的」ではなく、残念ながらこれは却下。 でも、「食」という字の「良」の意味が「穀物を盛ったさま」なのに、それがなぜ「良い」という意味になるのだろうとさらに調べてみると、「食」の「良」と、「良い」の「良」は形は同じなのだが、成り立ちも意味もまったく違うものだったのである。 「良い」の「良」は、丸い穀粒を水で洗い、きれいにしたさまを表すのだそうで、そこから「けがれのない穀物」の意味となり、「良い」となったのだ。 ついでに、「良い」と同じ意味の「善」も調べてみた。すると、「善」は「たっぷりと見事な供え物」が原義で、これも食べ物に関係し、そこから「よい、すばらしい」という意味になっている。 つまり、「良い(善い)もの」は、けがれのない豊富な食物に由来しているというわけ。これは、美しい自然の豊かな恵みである食物こそ良い(善い)ものである、と遠い昔から尊ばれてきたことを表しているようで、なにやら嬉しくなってしまった。 土や海を相手に暮らしていると、自然は「良いもの」をふんだんに用意してくれていると本当にそう思う。 けれど、人間が自然に余計な手出しをして、せっかくの「良いもの」を台無しにし、自分で自分の首を締めている、というそんな状況ばかりが目につく。食が自然から切り離されていたのでは、人を良くするどころではないだろうに…。 なんていまさら愚痴をいっても仕方がない。せめて子供たちには、この「良いもの」を食べてもらいたいと思う。そうすれば、食は人を良くする、はずだ。
by sophia_forest
| 2016-05-28 07:43
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